チャクラ宙返り2026

あれから16年の月日が流れた。

インターネットが万人の手の内に広がり、

コンテンツの消費速度は際限なく加速していく今。

静かに、けれども周到に技術の発達も進み、

「コスパ」「タイパ」の名の下にそれを満たす物が

良い物であり、その物事の条件になっている。

(比較的)良質な物を、最小限の対価で得ることに躍起になっている僕ら。

それが当たり前で、それに慣れてしまった僕ら。

けれども一度、立ち止まって思い出してほしい。振り返って欲しい。

僕らが手にしてきて、今もなお記憶に残り続けている物、

または今も手元に在り続けている物は本当に

「コスパの良い」「タイパの良い」

物だっただろうか。

きっと違うんじゃないかと思う。

ある物は、何の利益にもならずとも何百時間も没頭し、

またある物は、大金をかけて収集するもリセールバリューは望めない。

それでも記憶に深く刻まれ、思い起こす度にじんわりと胸が満たされていく。

それこそがコスパやタイパでは計れない、

物事の本当の価値なんじゃないかと、僕は想っている。

良質どころか、お世辞にも出来が良いとは言えない。

恐らく原価で言えば二束三文、しかし高価格。

それでも僕たちの心を捉えて離さず、

年月が経とうとその輝きは衰えず、増す一方だ。

そんな物の一つを、今日は紹介したいと思う。

ハッピーセット NARUTO-ナルト-疾風伝 うちはサスケ チャクラ宙返り

である。

2010年の発売からはや16年。

それだけの年月が経とうとも、未だ人を惹きつけてやまない。

その証拠に、状態の良い物は一万円を軽く超えた価格で取引されている。

僕は今年の正月、運良く駿河屋に2,080円で出品されている物を購入することが出来た。

状態は本体不備(中)。不備とはいってもパーツの欠品や機構に問題がある訳では無く、塗装の状態があまり良くない程度。

その程度の不備は、サスケェ!をこの価格で買えることを考えれば些末な問題である。

この表情。この表情だ…。

よく見てみると二重瞼や涙袋まで造形されていて、美形。

僕の購入した個体は鼻の頭の塗装が削れてしまっている。

ちなみに前方に倒しても鼻は接地しないため、原因は不明。

前面の塗装焼けに対して、側面と背面の塗装の状態は悪くない。

きっとこの16年、常に正面を向いて我々を見守ってきてくれたのだろう。

つっかえ棒(刀)に刻まれたMマークが眩しい。

勿論チャクラ宙返りの名の通り、16年経とうとゼンマイ仕掛けのバック転機構は健在。

つっかえ棒を装備しているにも関わらず、

偶に宙返り後の着地に失敗するところもこのサスケェ!の飽きの来なさに一役買っている。

予測できないランダム性を持つこと。

安定した結果ばかりを求める現代人には刺激的かもしれない。

よりにもよってな位置に容赦なく開けられたネジ穴。

靴裏のグリップが全然無いため、宙返りさせようと体を前に倒すと滑って転ぶ。

でこの画像の状態になる。

そのままゼンマイが働いてビクン!!!」と動く様が哀愁を誘う。

例え地に伏せようとも、その刀の切っ先はこちらに向けられている。

この不屈の精神こそが16年経とうと衰えぬ輝きの源なのだろうか。

本当に価値のある物。その魅力は種族を問わない。

一見間抜けなガニ股ポーズも、その安定感からもたらされる汎用性の高さによって魅力の一つとなっている。

そうして時に自分より遥かに巨大な生物も、

また常に変化する荒波のような時代の潮流すらも乗りこなして来たのだろう。

そんなサスケェ!の大した姿に只々感服するばかりだ。

完。

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