ちょうど3年前の今頃、
2023年のゴルデンウィークに現在住んでいる埼玉から実家のある熊本まで、
バイクで帰省した時のことをふと思い出したので、備忘録も兼ねて記事にしておこうと思います。
因みにフェリーは使わないフル自走、
スケジュールも余裕が無かったので最短時間&最短ルートです。
これから似たような事をしようと思っている人の参考になるよう、
絶対持っていくべき物や使って良かったアイテムなども一緒に紹介していこうと思います。
動機
3年前のゴールデンウィーク直前。
その年は珍しく仕事の忙しさが落ち着いていて、GWの前も合わせてまとまった休みが取れる事に。
久しぶりの長期連休、折角なので久しぶりに熊本の実家に帰省しようと思い立ちました。
それまでの数年間は仕事が忙しかったりコロナウイルスのパンデミックだったりで全然帰省出来ていなかったのもあり、いい加減顔でも見せておくかと。
祖父母や飼い猫も高齢でいつ会えなくなるかもわかりませんし。
ただ僕の休暇のスケジュールが確定したのが遅く、時は既にGW突入直前で新幹線や飛行機の予約は一杯。
空きがあったとしてもチケットがかなり高価だったり、変な時間だったり。
流石に移動だけに何万円も費やすのは勿体無いし、高速バスは論外(学生時代に経験済み)。
となると、どうするか。
自力で移動するしかない。(当時)車は持っていない。ならバイクだ。
実は僕にはバイクに乗るようになってからの夢がずっとあって、
それは地元熊本にあるバイクの聖地、阿蘇を自分のバイクで走る事。
本格的にオートバイに乗るようになったのは地元を出てからだったので、
あの阿蘇を走ることが出来たらどんなに楽しいだろうかとずっと思い焦がれていました。
それに関東近郊ばかりを走り回っていた僕は、超長距離ツーリングもやってみたかった。
今住んでいる埼玉から実家のある熊本までの距離は1245km、
フルに高速道路を使って移動すれば所要時間は約16時間。
費用は片道1万5千円から3万円+ガソリン代。
この機会を逃せば次のチャンスはいつ来るかわからない。
行くしかない。夢を叶えに。(大げさ)
という経緯で、埼玉から熊本までバイクで自走して帰省することに。
因みにフェリーを使う手もありますが、自走距離は減るものの移動時間がかなり長くなってしまうんですね。
流石にそこまでの休暇の日数がある訳では無かったので、自走で最短距離を最短時間で移動することにしました。
使った車両
この挑戦を共にしたバイクは、SUZUKIのGSX-S1000F(2020)。

フルカウル+高めのハンドルで一見ツアラーっぽいこのバイク。
でも実際は全然ツアラーじゃないんですよ。
カウルやスクリーンは小ぶりで防風性能はそこまで高くなく、体に結構風を受けます。
テールカウルとタンデムシートは非常に小振りで積載性も低い(荷掛けフックも少ない)。
150馬力のエンジン出力と運動性能は申し分ないものの、ハンドリングがクイックで直進安定性が高い訳では無い。
100km/h巡航時のエンジン回転数も高めだし、足回りのセッティングも固め。
乗っていて本当に楽しいバイクではあるものの、ツアラー的な乗り方は正直苦手な部類です。
でもそんなの関係ねえ。
正直これより排気量が多かろうと少なかろうと、もっと長距離を楽に走れるバイクはあるんでしょうが、
やっぱり自分の気に入った愛車がベストな選択肢。
愛があれば何とかなります。趣味の乗り物ですし。(?)
…でも正直150ccのオフ車とかだったら絶対やってなかったと思います。
タンクが小さい上に軽く小さい車体で延々と高速道路を走り続けるのはかなりキツイはず。
今乗っているWR250Xでも自信がありません。
愛があればどうたら言っていましたが、
せめて250ccクラス以上で、100km/h出してもエンジンに多少余裕のあるロードスポーツモデルがおすすめです。
それ以下だと正直相当大変だと思います…。
持っていくべき物
着替えなどの旅先で必要な物は別として、
僕が経験した上で道中で必要になる物や携行しておくべきものを紹介します。
必要性や重要度を五段階の★で評価しておきます。
重要度高:★★★★★
★★★★☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
重要度低:★☆☆☆☆
レインウェア
重要度:★★★★★
気温や天候に関わらず絶対に持っていくべきです。
雨が降ったときは勿論、防寒具代わりにもなります。
薄いようで防風性が高いので、かなり寒さを和らげてくれます。
僕の場合出発した時点では夏日でメッシュジャケットでも汗ばむくらいだったのが、
道中の山間部や標高が高い場所ではかなり気温が下がってガタガタ震える状態に。
その後雨にも降られてしまいましたが、レインウェアのおかげで何とかなりました。
高価でなくても良いので、防風性の高いバイク用の物がおすすめ。
ワーク○マンの物も悪くは無いのですが、バイクウェアの上から重ねるには少し作りが窮屈な物が多い印象です。
耳栓
重要度:★★★★☆
意外と気にならないようで疲労に大きく影響しているのが騒音。
排気音や風切音、ロードノイズなど。
耳栓を使って騒音レベルを下げるだけで、精神的な疲労も抑えることが出来ます。
僕も使ってみるまではピンとこなかったんですが、いざ使ってみると違いにびっくりしました。
ただ、周囲の音が聞こえにくくなるので遮音レベルが高すぎないものを選びましょう。
↑実際使用した物ですが、バイク用なだけあって良く出来ています。適度に騒音を抑えてくれるので、インカムで音楽を聴くこともできました。
パンク修理キット
重要度:★★★★★
こちらも絶対持っていくべきものです。
もしタイヤがパンクしてしまった時、
その場で修理して旅を続けられるか、
レッカーして旅を中断せざるを得ないかはこのアイテム一つにかかっています。
流石にサイドカットやバーストには対応できませんが、
釘などの異物が刺さって発生したパンクであれば自走できるまでに復帰出来るものが多いです。
↑乗っているバイクがチューブレスタイヤならこれがおすすめです。
co2ボンベ付きで、空気を充填する事までできます。
僕もこのキットでパンク修理したことがありますが、修理後空気が抜けやすいようなことも無く、
パンク前と同じように乗れるようになりました。
↑乗っているバイクがチューブタイヤ(スポークホイールのバイク、オフロード車に多い)ならこちらを。
タイヤ内に液体ゴムとガスを直接注入することでパンク穴を塞ぐ物です。
ただ、チューブレス用の物に比べて応急処置的な物になるので、
これでその場をしのいだ後はしっかりチューブ交換するなどした方が良いです。
スロットルアシスト
重要度:★★★☆☆
↑こんなのです。
長時間アクセルを捻りっぱなしだとかなり右腕がしんどくなるのですが、
これを装着するとアクセルを保持するのに握力がほぼ不要になるので、かなり疲労を軽減できます。
無くても何とかなるので星3の評価になりましたが、あると一気に快適さのレベルが上がります。
とりあえず持っていて、道中に疲労を感じたら取り付けるのも良いかもしれません。
簡易クルーズコントロール
重要度:★★☆☆☆
最近の高性能なバイクだと元から電子制御のクルーズコントロールが付いている車種もありますが、
現状は付いていないバイクが大半だと思います。
↑これを使用する事で、自分で捻らずともアクセル開度を一定に保つことが出来ます。
高速道路を一定のスピードで延々と走り続けるシチュエーションで右手を休めることが出来ます。
僕も実際に使用しましたが保持力が絶妙で、アクセルが戻らず怖い思いをしたという事も無く、
疲労軽減にかなりの効果がありました。
使いたいときに人差し指で操作するだけなのも手軽で良いですね。
注意点としては、あくまで「アクセル開度」を一定に保つだけなので、
下りでは加速しますし上りでは失速します。実質平坦でしか効果を発揮しません。
それと、時間が経つにつれてじわじわとアクセル開度が落ちてくるので、その度に設定し直す必要があります。
そんな感じで万能とは程遠いですが、それでもあると便利なので、持っておいて損はないと思います。
三角停止版
重要度:★★★★★
高速道路で緊急停車するときに必要です。
普段滅多に使うことはありませんが、必要な時に無いと違反になってしまいます。
とは言え、基本使わないうえに無駄に嵩張るのも事実。
そこでコンパクトなランプタイプの物がおすすめです。
設置もナンバープレートに挟むだけと簡単。
収納サイズもコンパクトなので、シート下の隙間にでも入れておきましょう。
装備
ウェアやバッグ、バイクに取り付けておく装備について。
超長距離ツーリングは風と尻痛との闘い。
また、大半が知らない土地を走ることになるためナビの問題も。
僕が経験した上で「こうした方が良い」ことを解説します。
ウェア
気候に合った物、バイク用のプロテクター入りの物を選ぶのは前提として、
極力風で本体やファスナーがバタつかないものを選んでください。
僕は風でファスナーの取っ手がパタパタ動くジャケットを着ていたのですが、
それも長時間になるとその部分の皮膚が叩かれて痛くなってしまいました。
それと、長時間の乗車では皮膚が服の生地との摩擦で痛くなってしまうこともあります。
スポーツ用のぴっちりしたインナーやタイツを下に着ることで、摩擦を大幅に軽減することが出来ます。
おまけに汗の発散や保温など、快適性も上がるので一石二鳥。
おたふく手袋が出している物がコスパも良く、おすすめです。
バッグ
超長距離ツーリングでは連泊することも多いので、それなりの荷物になります。
ここで気を付けたいのが、極力体に荷物を身に着けない事。
リュックなどは体の動きを制限したり疲労の原因になるので避けた方が良いと思います。
シートバッグなどを活用して、荷物は車体に取り付けたほうがストレスフリーです。
バッグは車体に安定して取り付けられるサイズの物を選びましょう。
その範囲の中で極力大きい物を選んでおくと、道中で荷物が増えても安心だと思います。

僕はあまり大きいシートバックを載せられなかったのでリュックも背負っていたのですが、
シートバックと干渉して邪魔になるし肩は凝るしで正直最悪でしたね。
尻痛対策 ゲルクッション
恐らく超長距離ツーリングで一番の敵となる尻の痛み。
原因は車体から伝わる振動と、同じ個所が圧迫され続ける事など。
これを解消するには物理的にクッションを増やすのがシンプルかつ確実です。
↑僕が使用したのはこちら。
重要なのは厚みで、3.5cmもゲルの厚みがあるので振動らしい振動は感じられませんでした。
普段のツーリングでも尻が痛くなりやすい方の僕、
一日で最大700km、トータルで2500km走りましたがその間我慢できないほどの痛みは発生しませんでした。
デメリットは厚みがある分足つきが悪くなってしまう事。
ですが高速道路での移動中は足を着く機会が全くと言っていい程無いのであまり気になりませんでしたね。
それと尻から伝わる路面のインフォメーションも希薄になりますが、高速道路では関係ないですね。
デメリットの裏返しですが、シート高が上がった分乗車時の膝の曲がりが緩やかになって、
これも長距離の楽さにつながった感じがします。
ゲルクッションは厚みがある物を選ぶと良いと思います。
ナビと給電
超長距離ツーリングでは大半が知らない土地を走り続ける事になるのでナビは必須。
最近は多くの人がスマホを使ったナビを使用していると思います。
そこで重要になってくるのがスマホへの給電問題。
もしスマホのバッテリーが切れてナビが使えなくなってしまうとかなりのピンチに。
そこで一番確実なのが、車体から給電する方法です。
モバイルバッテリーを使用する手もありますが、接続しにくい上にモバイルバッテリー自体の容量もあります。
車体から給電する方法であれば、走っている限りは半永久的に給電し続ける事が出来ます。
最近は純正でUSBポートが付いている車種もありますが、そうでない車体はバッテリー直でも良いので取り付けておく事をお勧めします。
バッ直の場合、エンジン停止中はバッテリー上がり防止のためにスマホは外しておきましょう。
埼玉→熊本までの移動
初日
2023年4月29日、土曜日。天気は晴れたり曇ったり。
いよいよ実家のある熊本まで移動を開始します。道程は1,250km。
自宅を午前9時頃に出発。

所沢ICから関越自動車道に乗って、あとはひたすら走り続けます。
世間ではGWに突入している人も多く、神奈川を抜けるまでは結構渋滞していました。
事故渋滞で動かない所もあったりと、バイクじゃなかったら相当な時間のロスだったと思います。

5時間ほど走って滋賀県の甲南PAにて。
休憩や給油でちょこちょこPAに寄ってはいるんですが、写真を全然とっていなかった当時の僕…。
このまま京都、大阪と走り抜けていったわけなんですが、このあたりで雨が降り始めました。
肌寒かったのもあって少し前からレインウェアを着ていたので塗れずに済みましたが、
暗くなってきた中雨の高速道路を走るのは結構精神的にハードだった…。
結局この日は岡山で高速を降りて一泊することにしました。
この時点で20時、10時間ほど移動しました。

初日の走行距離は約700km。全体の半分以上は進むことが出来ました。
体力的にはまだ走れそうでもありましたが、元々2日間に分けて移動するつもりだったので十分なペースです。
宿泊場所
超長距離ツーリングでの宿泊場所問題。
一日の移動距離が長い上に、予定通りのペースで進めるとも限らないので宿泊場所を選ぶのが少し難しいんです。
ビジネスホテルは予約が必要だったりして面倒ですし、
ネットカフェは狭いのでもう少しゆったり過ごせる場所がいい。
そこでおすすめなのがラブホです。
気持ち的に少し抵抗あるのもが分かるんですが、
ラブホならではのメリットが超長距離ツーリングと非常にマッチしてまして、
- チェックイン/アウト時間が自由
- モーテルタイプ?なら屋内にバイクを停められる&部屋直通
- 広くて大きいベッド&風呂で疲労回復
- 深夜でもフードサービスを注文できる
- ネットカフェ程ではないものの比較的安い
- ICや国道沿いなどアクセスしやすい立地
などなど、避けるどころか積極的に選ぶまでありますね。
タイミングにもよりますが、予約しなくても入れることが多いですしね。
使ってみると予想外に快適だと思いますよ。
二日目
ゆっくり休んで2日目の移動開始です。
運よく雨は上がって快晴、9時半頃に移動開始。

取り立てて書くほどの事は無いのですが、岡山→広島→山口はなんだか凄く長く感じましたね。
ただ、山口に入ってからは高速道路とは思えないようなワインディングの連続で結構楽しかった。

14時前には本州と九州の境目、山口県の下関に到着。
景色も良くてなんだかテンション上がりましたね。
完走・目的地到着
そして九州に入って約二時間、
16時頃に熊本県の実家に到着しました。

5年ぶりくらいに会いましたが、憶えてくれていたようです。
約1,250kmの道程をトラブルも無く無事完走することが出来ました。
移動時間は一泊したのを含めて31時間でした。
到着後はしばらく滞在する時間があったので、
その間に祖父母や友達と会ったり、
親友と一緒に、夢だった阿蘇を走ることも出来ました。


まとめ
片道1,000km越えの超長距離ツーリング。
やる前は異常に大変なんじゃないかと身構えてしまいますが、
いざやってみると、思ったより大丈夫だったというのが、正直な感想です。
ただ、それは事前の入念な準備や、無理をしないスケジュール設定で行ったのが大きな要因だったと思います。
特にやってみて感じたのが、
1日で走る距離は500~700kmに抑えておく事が体力的にも精神的にも余裕を残せるので良いのではないかという事。
勿論個人差はあると思いますが、早めにしっかり休憩を取ることは心がけた方が良いと思います。
確かにこれだけの距離をバイクで自走で移動するのは楽ではありません。
ですがその行為自体が普通はなかなか無い、特別な思い出になったと思います。
おすすめです。
おまけ:帰り道
往路は自走しました。
なら復路も当然自走です。
4日間ほど実家に滞在して、自宅のある埼玉まで戻る日に。
予定より長居してしまったのと高速料金が勿体ないのもあり、
帰りは高速道路を降りずにぶっ続けで走ることにしました。
一度下道に降りて宿泊するとかなり高速料金が高くなってしまうんですよね。
ただ結論から言いますが、マジでおすすめしないです。
「疲れたらSAのベンチで寝ればいいや~」程度に考えていましたが、実際は全然眠れませんでした。
なのにバイクに跨って走り出すと途端に眠くなる不思議。
でもSAに止まってベンチで横になると何故か眠れず。ずっとこのループ。
結局そのまま夜が明けて、ほぼ気絶するように眠る事が出来たのは静岡の沼津PAまで走ってから。
日も登って観光客で賑わうSAのベンチに座って寝るのは結構しんどかったですね。

そんなこんなでなんとか無事帰宅。
実家を出たのが5月4日の14時頃、
自宅に到着したのが翌5日の13時という事で、
結局帰りは23時間かかりましたw
道中、まともに寝れるまではPAの度に止まってモゾモゾしてたのもあって時間がかなりかかってしまいました。
多少費用と時間がかさんでも、無理せずホテルで一泊するべきでしたね。
そんな感じで、地元で走り回ったのも含めると3,000km程走って僕の旅は終わりました。
帰りはまあハードでしたが、それもいい経験になったと今では思います。
以上、ここまでお読み頂きありがとうございました!
誰かの参考になれば幸いです。

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