自転車通勤を始めてから、ずっと気になっていたことがある。
それは、背中の蒸れだ。
僕は普段、自転車で片道約19kmの距離を通勤している。
荷物はバックパックに入れて背負っているのだけれど、これがなかなかに暑い。
夏場はもちろん、冬でも会社に着く頃には背中が汗で濡れていることがある。
バックパックは背中部分が蒸れにくくなっている物を使用しているが、
それでも背負っている以上は圧迫されてウェアが張り付いているし、
職場に着いてからの着替えもあるので荷物を無くすことはできない。
じゃあ、車体に荷物を固定してしまおう。
そんなわけで、愛車のYOELEO G21にリアキャリアを取り付けることにした。
今回選んだのは、GORIXの「GRR681」。
Amazonで4,999円という比較的手頃な価格のアルミ製キャリアだ。
ただし、取り付けは思っていたほど簡単ではなかった。
今回はキャリアの紹介から、G21特有の取り付け問題、実際に行った加工、
さらに廃材を使った自作リアフェンダーまでまとめて紹介していこうと思う。
G21にリアキャリアを取り付けたい
僕のYOELEO G21は、フルカーボンフレームのグラベルロードだ。

カーボンフレームというと積載には不向きな印象もあるけれど、
G21にはフレーム各所にアクセサリーを取り付けるためのダボ穴が設けられている。
リア周辺にも複数のダボ穴があり、キャリアを取り付けられる構造になっている。
もっとも、ダボ穴があるからといって、どんなキャリアでも無条件に取り付けられるわけではない。
特にカーボンフレームの場合、金属製のダボとその周辺に無理な力を掛けないことが重要になる。
今回はその点を意識しながら作業を進めた。
なお、G21のリアキャリア用ダボについて、フレーム側の正式な最大積載重量は現時点で確認できていない。
キャリア単体の耐荷重と、フレーム側が許容する積載重量は別の話なので、実際に荷物を積む場合は注意したい。

選んだキャリアはGORIX GRR681
今回購入したのは、GORIXのリアキャリア「GRR681」。


購入価格はAmazonで4,999円だった。



組み立て用の工具も付属してきた。
が、スパナは精度が悪いので使わない方が良いと思う。

アルミ製で、重量は702g。
リアキャリアとしては比較的軽量な部類だと思う。
僕がこの製品を選んだ理由は、まず取り付けが車体のダボ穴を利用するものだったこと。
G21はシートステー上部とリアアクスルの直上にキャリア用のダボが付いている。
4点でキャリアを固定できるため、強固に取り付けできるはず。
それに、価格が手頃だったことと、パニアバッグを取り付けやすそうな構造だったこと。
将来的には自転車でキャンプやツーリングにも行ってみたいので、左右にパニアバッグを装着できる構造は魅力的だった。
また、天板だけでなく側面にもバッグを支持するためのパイプが設けられている。
見た目もパイプが細く比較的すっきりしていて、G21の雰囲気を大きく損なわないところが気に入った。

一度ステーを仮組しておく。
GRR681の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| メーカー | GORIX |
| 型番 | GRR681 |
| 材質 | アルミ |
| 重量 | 702g |
| 購入価格 | 4,999円(Amazon・購入時) |
| 用途 | リアキャリア・パニアバッグ取り付け |
※価格は購入時点のもの。
取り付けようとしたら、ダボ穴の角度が合わない
さて、仮組したし早速取り付けてみよう。
……と思ったのだけれど、ここで問題が発生した。
G21のダボ穴と、キャリアのステーの角度が合わない。
最初は単に取り付け位置がずれているだけかと思ったのだけれど、よく観察すると少し事情が違った。


G21のダボ穴は、車体を上から見たときに左右でハの字になるような角度が付いている。
つまり、取り付け面だけでなく、ネジ穴そのものの軸が車体の中心線に対して斜めになっているのだ。
普通はこのダボ穴は、車体のセンターに対して垂直に設置するものだけど、そんなものは無視。
かなり独特な設計のフレームだ…。
一方、GRR681の取り付けステーは、基本的に車体と平行に固定することを想定した形状になっている。
そのため、そのまま取り付けようとすると、ステーの穴とダボ穴の位置だけでなく、ボルトの入る角度までずれてしまう。
ここで無理やりボルトを締め込めば、キャリアのステーを強制的に曲げながら固定することもできるかもしれない。
しかし、それではキャリアの反力が常にダボへ掛かってしまう。
相手はカーボンフレームに取り付けられた金属製のダボだ。
締め付けによって無理な力を掛け続けるのは避けたい。
というわけで、対処としては
フレームにキャリアを無理やり合わせるのではなく、キャリアをフレームに合わせて加工することにした。
アルミ製ステーを曲げて角度を調整
このキャリアはアルミ製で、比較的柔らかい。
そのため、ステーを曲げての角度調整はやり易い方だと思う。
プライヤーなんかでも曲げる事はできそうだ。
僕の場合は、勤務先に簡単な金属加工の設備があるため、
作業にはそこにある万力を使用した。
キャリアのステーを少しずつ曲げ、G21のダボ穴の位置と角度に合うように調整していく。
ただし、一度に大きく曲げるのではなく、
- 少し曲げる
- 車体に仮合わせする
- 穴位置と角度を確認する
- 必要に応じて再調整する
という作業を繰り返した。
今回調整したのは、リアエンド付近の下側ステーと、シートステー側に取り付ける上側ステーの両方。
最終的には、ボルトで無理に引き寄せなくても、自然に取り付けられる状態まで調整できた。

赤く囲った部分を曲げて調整した。
傷が付きやすいので、工具で挟むときには当て布を噛ませた方が良い。
特に上側の細い棒状のステーは極力直線を崩したくないため、
ボルト締結部をピンポイントで曲げる必要がある。
加工時は塗装の剥離に注意
実際に作業してみて気になったのは、塗装の剥離だ。
アルミ自体は比較的柔らかく、ステーの角度を変えることは難しくなかった。
しかし、一点に力を集中させると、曲げた部分の塗装が剥がれやすい。
僕の場合も、加工部分に塗装の剥離が発生した。
そのため、加工後はタッチペンなどで補修しておくと見た目が綺麗に仕上がる。
アルミは鉄のような赤錆こそ発生しないものの、表面の保護という意味でも補修しておいて損はないだろう。
なお、アルミの曲げ加工は材質や形状によって割れが発生することがある。
今回の方法はメーカーが指定する取り付け方法ではなく、あくまで僕自身の加工例だ。
加工を行う場合は、亀裂や局所的な変形が発生していないか十分に確認してほしい。
ボルトの固定と緩み対策
ステーの角度調整が終わったら、いよいよ本取り付け。
今回はM5平ワッシャーをステーの表裏と、ねじロック剤を使用して固定した。
リアキャリアは走行中の振動を受け続ける部品なので、ボルトの緩みはできるだけ防ぎたい。


ただし、ねじロック剤を使ったからといって、強く締め込めばよいわけではない。
特にカーボンフレームのダボでは、指定された締付トルクを守ることが重要だ。
また、ねじロック剤の使用可否についても、フレームメーカーの指定を優先したい。
今回はキャリアのステーを加工したことで、ボルトの締め付けによって無理な力が発生しないよう特に気を付けている。
取り付け後も、定期的にボルトの緩みやダボ周辺の異常を確認するつもりだ。
取り付け完了! 実際に走ってみた感想
そんなこんなで、無事にリアキャリアの取り付けが完了した。

キャリアを取り付けた車体を持ち上げてみると、後端に重量が増えたことを感じる。
重量は702gなので極端に重いわけではないけれど、取り付け位置が後輪の上ということもあり、車体単体で持ち上げたときには違いが分かる。
しかし、実際に走ってみると印象は変わった。
パニアバッグを装着していない状態では、キャリアの重さや走行感覚の変化はそれほど気にならなかった。
少なくとも普段の通勤で走る範囲では、キャリアを取り付けたことによる明確なデメリットは感じていない。
もちろん、パニアバッグを取り付けて荷物を積めば、車体の挙動も変わってくるはずだ。
そのあたりについては、別の記事で詳しく紹介したいと思う。
おまけ:廃材のバインダーで専用リアフェンダーを自作!
さて、キャリアの取り付けが終わったところで、もう一つ試してみたいことがあった。
それがリアフェンダーの製作だ。
僕のG21には700×50Cという太めのグラベルタイヤを装着している。
雨の日や濡れた路面を走ることを考えると、泥除けがあると便利なのだけれど、
せっかくキャリアを取り付けたのだから、これを利用してフェンダーを固定できないだろうか。
そこで目を付けたのが、会社で廃棄予定だった書類用のバインダー。
薄い樹脂製の板なので、切断や穴開けが簡単で、適度な柔軟性もある。
何より、材料費が掛からない。
というわけで、これを切り出してGRR681専用のフェンダーを作ってみた。
↑こんなの。
素材がPPなどの樹脂製のもの。
勿論、似たような素材であればわざわざバインダーを再利用する必要も無い(笑)
バインダーを切ってキャリアに固定
製作方法は至ってシンプル。
バインダーから必要な形状を切り出し、キャリアの内側に沿わせて取り付けるだけだ。
固定には結束バンドを使用した。
キャリアの構造を利用しているため、フェンダー専用のステーを新たに作る必要もない。
完成した状態がこちら。


思い付きで作った割には、なかなか綺麗に収まったと思う。
キャリアの内側に収まる構造なので、外観も比較的すっきりしている。
タイヤの上側を広い範囲で覆えるため、後輪が巻き上げる水や泥をある程度抑える効果が期待できそうだ。
実際、雨中や雨上がりの濡れたアスファルトの上を走ってみたが、
背中に飛んでくる水や泥をしっかりとガードしてくれていた。
20kmほど走り終えた後も、背中はほとんど汚れていなかった。
思っていた以上の効果だ。
自作フェンダーの図面
せっかくなので、今回製作したフェンダーの図面も公開しておこうと思う。
補足として、本図は寸法確認用で二分の一の縮尺になっている。
印刷物をそのまま切り抜き型紙として使用する場合は、実寸で出力する必要がある。
また、左右は穴位置を含めて対象になっている。
固定については、先ほどの画像を参照して欲しい。
この図面は、この記事で紹介したキャリア、GRR681に合わせて作成したものだ。
ほかのキャリアへの適合は確認していないので、その点は注意してほしい。
また、フェンダーの取り付けでは、タイヤとのクリアランスを十分に確保する必要がある。
特に、タイヤとフェンダーの間に小石や枝などが挟まると、フェンダーの破損や車輪の回転を妨げる原因になりかねない。
固定部分が緩んだ場合にもフェンダーがタイヤへ巻き込まれないよう、十分に確認したうえで使用してほしい。
樹脂製のバインダーは加工しやすい反面、紫外線や経年劣化によって割れやすくなる可能性もある。
定期的に亀裂や固定状態を確認しながら使っていくつもりだ。
まとめ:G21の積載性能を活かす第一歩
今回はYOELEO G21にGORIX GRR681を取り付けてみた。
取り付けにあたってステーの加工が必要になったものの、最終的には無理なく固定することができた。
実際に走ってみても、キャリア単体では走行感覚への影響はそれほど大きく感じない。
価格も4,999円と手頃で、重量も702g。
G21を日常的な移動手段として使っている僕にとって、なかなか魅力的な装備になった。
ただし、今回の取り付け方法は加工を伴うものであり、すべてのG21やGRR681で同じ結果になるとは限らない。
特にカーボンフレームのダボに無理な力を掛けないこと、
取り付け後も緩みや異常がないか点検することは大切だと思う。
そして、今回キャリアを取り付けた一番の目的は、パニアバッグを使って通勤時の荷物を背負わずに運ぶこと。
実はすでに、Hyclineのサイドパニアも購入している。
こちらについては、実際の使い勝手や走行感覚も含めて、別の記事で紹介したいと思う。
少しずつ、ロードバイクらしい軽快さからは離れている気もするけれど。
それでも、通勤からツーリングまで幅広く使える自転車になっていくのは、なかなか楽しい。
僕のG21は、今日も着実に「通勤用高速多目的車」へと進化している。
それでは、また。

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